Project Cars 2 には46台の市販車が登場
「Project Cars 2」には、46台の「市販車」(ゲーム内ではROADタイプ)が登場しますが、それぞれが独特の特徴を持っていて、ドライブする感覚が一台一台まるで違います。
パワーもハンドリングもマイルドで、初心者でも楽にドライブできる市販車もあれば、レースカーに保安部品を付けたような爆速カーというのもあり、同じ市販車でありながらその大きな性能の違いに驚きます。
多くのカーゲームではマシンを替えてもトップスピードやコーナーリングスピードが変わる程度で、エンジンの位置や駆動方式による特性の違いについてはあまり気にする必要がありませんが、「Project Cars 2」ではそういった特性による挙動の違いも考慮しなければならず、そして、その特性に合わせたコントローラー操作をしなければマシンを速く走らせることはできません。
なぜ「市販車」なのか?
今回は「市販車」だけを選んでそれぞれのマシンの特性を探ってみたいと思いますが、なぜレースカーではなく市販車にするかというと、それはレーシングカーよりも特徴に変化があるて面白いからです。
レーシングカーというのは速く走ることを目的としています。軽量化された車体に硬いサスペンション、グリップの高いスリックタイヤが装着され、あるレベル以上の走行性能を保っていて、ある程度似たり寄ったりしているといえますが、市販車はそうなっておらず、マシンによる独特な特徴の変化が「市販車」の面白さのもとになっていると思います。
テストドライブ
それでは、テストドライブで得られた結果です。
テストは「ブランズハッチサーキット」で行われ、マシンはノーマル状態のまま。「Project Cars 2」のマシン一覧と同様にアルファベットの「A」から順番にドライブしています。また、TCS(トラクションコントロール)とSC(横滑り防止装置)はできるだけONとOFFを試しています。
No.1「Acura NSX」2017
最初はアキュラの「NSX」です。
難易度の高い「MR車(ミッドシップレイアウト車)」ですが、程よいエンジンパワー+4WDということで挙動は常に安定しています。サスペンションがやや柔らかく路面の凹凸でフワフワする印象がありますが、トラクションが失われるほどではありません。
コーナーの立ち上がりで多めにアクセルを開けるとオーバーステアになってスピン気味となる場面もありましたが、それに注意すれば、TCS(トラクションコントロール)とSC(横滑り防止装置)をOFFにしても安定したドライブができそうです。
マシンの難易度:★★
No.2「Aston Martin DB11」2017
アストンマーチンのグランドツアラー「DB11」です。
FR車+エンジンパワーがあるマシンということで、テスト前には挙動が変化しやすい印象がありましたが、実際ドライブしてみると車体が重いためにタイヤのグリップが良く、挙動は結構安定していました。ただ、場合によっては少しモッサリした印象を受けるかもしれません。
コーナー立ち上がりのアクセル操作に少し気を付ける必要がありますが、TCS(トラクションコントロール)とSC(横滑り防止装置)をOFFにしても安定したドライブが可能です。
マシンの難易度:★★★
No.3「Aston Martin Vintage GT12」2015
続いて、アストンマーチンの2台目「Vintage GT12」です。
前のDB11と同じくらいのパワーがありながら、車重が200kg以上軽くなっているためタイヤが空転しやすく、TSC(トラクションコントロール)やSC(横滑り防止装置)無しでは挙動が不安定になりやすいようです。
他の市販車と比べてエンジンサウンドもかなり荒々しく、スポーツカーというよりは市販のレーシングカーという印象です。
マシンの難易度:★★★★
No.4「Audi A1 quattro」2013
アウディのホットハッチ「A1クワトロ」です。
低めの馬力に4WD・・・スペックを見てわかる通り、誰もが気軽にドライブできる初心者におすすめのマシンです。コーナリングでは、クリッピングポイントに付いて出口が見えてしまえば後はアクセル全開で立ち上がれます。
マシンの難易度:★
No.5「Audi R8 V10 plus5.2 FSI quattro」2015
アウディのスポーツクーペ「R8」です。
スピンしやすい高パワーのMR車(ミッドシップレイアウト車)ですが、4WDということで挙動が安定しているため、TCS(トラクションコントロール)とSC(横滑り防止装置)をOFFにしてもアクセル全開でコースを攻めることができます。
加速もなかなか鋭く、速さと安定を高いレベルで両立したマシンといえそうです。
マシンの難易度:★★
No.6「BAC Mono」2017
BACの一人乗りライトウェイトスポーツカー「Mono」です。
1001馬力のブガッティのヴェイロンに迫るパワーウェイトレシオということもあり、その加速力はトップクラスで、タイヤが冷えている時にフル加速をするとストレートでもリヤタイヤがスライドしてしまうほどです。
また、 タイヤが温まってからもコーナー立ち上がり時のパワースライドには注意が必要で、オーバーステアにならないよう常にカウンターをあてる準備をしておく必要があります。
加速時の挙動に十分気を付ければTSCとSCをOFFにしてもある程度快適にドライブできますが、疲労を軽減するためにTCSを「Low」で効かせておくと良いでしょう。
マシンの難易度:★★★★
No.7「BMW 1 Series M Coupé」2011
BMWのクーペ「1 Series M Coup'e」です。
エンジンパワーもそこそこで初心者にも操縦しやすいマシンです。気が付くとコーナーの途中や立ち上がりでオーバーステアになっていることがあるので、そこだけ注意が必要ですね。
オーバーステアを回避けるにはTCS(トラクションコントロール)を「Low」に設定すると良いでしょう。
マシンの難易度:★★★
No.8「BMW 1 Series M Coupé StanceWorks Edition」2011
No.7のマシンをよりスポーティーにしたBMWのようです。
ドライブしたところ馬力が120上がっているためタイヤが冷えている時のフル加速や上り坂でホイルスピンが出やすくなっています。その他の特徴はNo.7とあまり変わらないような気がします。
市販車に物足りなくなってレーシングカーに手を出す前の練習にちょうど良いかもしれませんね。
やはりこのマシンも、オーバーステアをTCS(トラクションコントロール)を「Low」に設定して回避すると良いです。
マシンの難易度:★★★
No.9「BMW 2002 Turbo」1973
1973年のレトロスポーツカー「BMW 2002 Turbo」です。
馬力が少なくスピードはそれなりにしか出ませんが、ボディーが軽量なのでコーナーは意外とキビキビ走れます。ただ、アクセルを全開にしている時間が多くなるので、アクセルトリガーを引いている右手の人差し指が徐々に痛くなってくるのが難点です。
マシンの難易度:★
No.10「Caterham Seven 620」2015
今回の最後はイングランドにあるケータハム社の「Seven 620」です。
見た目がクラシカルなのでパワフルさにはあまり期待していませんでしたが、それは大きな間違いで、アクセルトリガーを大きく引いた途端まるで何かに蹴飛ばされたかのような猛烈な加速をしてくれます。
ハンドリングは軽いにもかかわらず素直で、しかもしっとりと安定感があるのでほぼ狙い通りのラインを走行できます。
SC(横滑り防止装置)はハンドリングに影響があるのでOFFにした方が良いでしょう。
マシンの難易度:★★
今回のまとめ
今回は、46台の市販車のうち10台ほどテストしてみましたが、最もドライブしやすかったのはケータハム社の「Seven 620」です。このマシンの速さと乗りやすさのバランスはある意味感動ものです。まだドライブしていない方はぜひ一度お試しを・・・。
その次にドライブしやすかったのが、アキュラの「NSX」と、アウディの「R8」です。どちらも4WDの安定感があってドライブがとても楽でした。
逆に、パワーがあり過ぎてドライブするのに疲れたのは、アストンマーチンの「Vintage GT12」です。このマシンは市販のレーシングカーのようなものなのでパワフルで疲れるのは当然といえば当然かもしれませんね。
END